頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
「自分の得意な形に逃げない」コツ
羽生善治氏は、著書『直感力』(PHP研究所)の中でこう言っている。
「いつも、『自分の得意な形に逃げない』ことを心がけている。戦型や定跡の重んじられる将棋という勝負の世界。自分の得意な形にもっていけば当然ラクであるし、私にもラクをしたいという気持ちはある。しかし、それを続けてばかりいると飽きがきて、息苦しくなってしまう」
「自分の得意な形に逃げない」ためには、目の前の仕事とこれまでやった仕事の変数の違いに注目することだ。
一つでも変数が違ったらゼロベースで考える。
たとえば、同じカテゴリーの製品ページをつくるとき、以前にうまくいった経験があると、8割程度は同じやり方を踏襲し、2割を変えて仕上げようとする。
ついラクをしてしまうのだ。
しかし、機能や価格帯などの変数に着目し、お客様に何を訴えるのがベストかをゼロから考えたほうが売上は伸びる。
前提が一つ違えばすべてが変わる
前提が一つ違えばすべてが変わると覚えておこう。
これまで最優先課題として自社製品の認知度を上げるために広告やマーケティングに力を入れてきたが、競合から画期的な新製品が出れば、一から見直しを迫られる。
私自身は過去の学びを捨てることにまったく抵抗がない。
新しいよいものがあれば、過去の知識は修正する。
たとえば、アマゾンの売れ筋ランキングを見て、「何位だと1日何個ぐらい売れているか」が頭に入っている。
だが、アマゾン自体も日々進化しているので、同じ1位でも以前は売上300個だったが現在は400個というように変化する。
数字を修正する気持ちを持ちつつ、自分を頻繁にアップデートしている。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)