・一文をすっきりと読みやすくする
・質問や確認内容がある場合は、相手がその内容を理解して回答しやすいように箇条書きなどにする

 といった工夫があるのです。

 メールでこんな困った経験はないでしょうか。添付で資料を受け取り、しっかりと読み込んでいたにもかかわらず、その後、変更点が発生して新しい資料が送られてくる。それが何十枚にもわたるものであったり、重要な内容であったりすると、変更点を把握するのに時間と労力を要します。

 実際に私が経験したことですが、改訂した契約書が送られてきたものの、何度読んでも変更点が見当たりません。先方に確認したところ、誤って変更前の文書を添付してしまったということでした。このようなことで時間をロスすると本当に虚しいものです。

 もし、変更箇所が分かるように別途記載してくれたり、変更部分に色をつけてくれたりすれば、確認する時間を省くことができます。また、進捗状況をある程度まとめて報告してくれると、返信メールを何度も送る手間が省けてありがたいものです。

男性客から感謝の手紙が届いたフライトでの対応

 職場でも取引先でも、思いがけず誰かから気がきいた行動をしてもらえると「この人と仕事ができてよかった」「またこの人と仕事がしたい」という気持ちになります。

 前職の客室乗務員時代、忘れられないエピソードがあります。あるとき、男性のお客さまからお褒めの言葉が届き、その男性を担当したのがサービス訓練教官時代を共に過ごした仲間でした。

 海外へ向かう機内でそのお客さまが、彼女に「ばんそうこうをください」とだけおっしゃいました。その際、彼女はばんそうこう1枚だけでなく、「よろしければ一緒にお持ちください」といって予備もお渡ししたのです。お客さまはその対応を喜んでくださり、わざわざお手紙で伝えてくださったのでした。

 お客さまからこうした言葉をいただけるのは、とてもうれしいことです。しかし彼女には「特別なことをした」という意識がなく、むしろ恐縮していました。「入浴後に新しいばんそうこうが必要になるのではないか。日本のようにコンビニが開いているか分からないし、新しいものを手に入れるのは難しいかもしれない」と考えたそうです。

 彼女のような人は、「こうしたら相手が助かるのではないか」と先のことを考える習慣ができています。言われたことだけをきちんとできれば合格かもしれませんが、言わずとも気をきかせてくれる人の存在はとてもありがたいものです。頼まれ事をしたとき、その先を少しだけでも想像する習慣がついていると、行動も変わるはずです。