子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。
成長のエネルギーをプラスに転換する
2歳児の行動は、大人にはわがままと映るかもしれませんが、これは見方を変えれば、意欲、やる気、自主性、自己主張のあらわれであり、頼もしい子どもたちなのです。
親の仕事は「ダメ!」「いけません!」と子どもを押さえつけることではなく、子どもの持つ成長エネルギー(やる気)をプラスへ転換させることです。
やる気や好奇心を学び、運動、お手伝いに向けられるように導いてください。
パズルやブロックなどの知育なおもちゃを与え子どもにやらせましょう。
「自分でできる」という成功体験を増やすチャンスです。また、お絵描き、粘土など、創造力を要求する遊びにも挑戦させてあげましょう。
子どもの身のまわりのことはできるだけ自分でやらせてください。着替え、靴履き、食事など、自分でできることは親が手を貸さずに子どもにやらせます。
時間がかかっても、汚れても、親は見守ってください。
子どもが自分の意思でしようとしていることは、最後までやらせてあげてください。信じて気長に見守ってあげます。
そしてできたら、できが良くなくても、「自分でできてすごいね!」と大げさに褒めてください。
言葉の力が育てばイライラは収まる
2~3歳の子どもは言葉が足らずに自分の気持ちをうまく表現することができません。自分の言いたいことがうまく相手に伝わらないとフラストレーションが溜まります。
家ではテレビを消して子どもとのコミュニケーションを増やしてください。
自分の感情を言葉でうまく表現できるようになると、欲求不満やイライラを抱え込むことが少なくなり、情緒が安定します。
子どもの言葉が遅いと心配している方は、語りかけ、歌いかけ、読み聞かせを、今までの「2倍」与えてみてください。実践すれば子どもの口からすぐに言葉があふれ出てきます。
子どもの頭の中には「言葉のコップ」があると想像してください。この言葉のコップが言葉で満たされることで、言葉は初めて口からあふれ出てくるのです。
空っぽのコップから無理やり言葉を引っ張り出そうとしてもうまくいきません。
両親は日頃から「言葉のコップを満たすこと」を意識して、言葉をかけ、歌いかけ、絵本の読み聞かせをしてあげることが大切です。
コップが言葉で満たされれば、必ず口から言葉があふれてきます。