愛犬にも「がんの血液検査」を、7歳前後を目安にPhoto:PIXTA

 愛犬の寿命が延び、人間と同じような健康管理を必要とする時代になった。

 国内40カ所の動物病院の協力で行われた調査によると、犬の死亡原因の第1位は悪性腫瘍(がん)で18.4%、心臓病など循環器疾患が17.4%、ついで泌尿器疾患が15.2%だった。

 犬種によっては、肺など呼吸器の疾患や脳・神経系の疾患が上位にくるが、がんに関しては犬種を問わず注意が必要だという。

 従来、犬の「がん検診」は問診や触診頼みで早期発見が難しかった。しかし近年、体液に含まれるがん細胞やがん由来の物質を解析する「リキッドバイオプシー」が実用化されたことで、血液検査による早期発見が期待されている。

 国内では今年1月から、獣医師が立ち上げたベンチャー企業の検査システムが本格的に稼働し始めたばかりだが、一足先にリキッドバイオプシーが登場した米国では、「がん血液検査」の適切なタイミングが検討された。

 調査では、がんと診断された犬3452匹(0~20歳、雌1552匹)のデータを解析し、犬種と体重、性別ごとに診断年齢を算出。好発年齢以前に「がんの芽」を見つけ摘み取ることができれば、治癒と延命につながる。

 対象のうち、純血種は2537匹で米国らしく中~大型が多かった。診断時の平均年齢は8歳(中央値8.2歳)で、最も若かったのはマスチフの5歳、セントバーナード、ブルドッグの6歳などで、日本で人気のゴールデンレトリバーは8歳、チワワ8.2歳、パグが8.6歳だった。

 体重別では、2.5~5キログラムの小型犬のがん診断年齢の中央値が11歳と高い一方、75キログラムを超える大型犬では同5歳だった。また去勢や避妊手術をしていない犬は、手術済みの犬よりも1歳以上、診断年齢が若かった。

 研究者は「どの犬種も7歳を過ぎた頃から、できればその2年前から“がん血液検査”を受けたほうがいい」と勧めている。

 伴侶動物の健康管理は飼い主の責務でもある。愛犬の「がん年齢」が近づいてきたら、かかりつけの獣医とよく相談していこう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)