石井亮次アナウンサーが大人気だ。この春から、長寿番組『世界ふしぎ発見!』( TBS系 土曜午後9時)の草野仁アナウンサーの後任司会者に大抜擢されたり、『ノックは無用!』『ノンストップゲーム』など伝説の番組も生み出した関テレ土曜昼枠の新番組『LIVEコネクト!』のレギュラー司会者に決まったり‥‥。地方ローカルだった『ゴゴスマ』(TBS系)を全国区の人気番組に躍進させたばかりか、全国からも依頼が殺到するのはなぜなのか? 石井亮次アナウンサーが自らのコミュニケーション術や話し方を余すことなく書いた著書「ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方」から抜粋して紹介する。
会話を盛り上げるには「レシーブ」と「トス」が大事
会話はキャッチボールだとよく言われます。言葉のやり取りの動きとしてはもちろんそうなんですが、自分のほうに球(ボール)がある時の動きはバレーボールをイメージするといいのではないかとひらめきました。受け取ってすぐに投げ返すのではなく、3段階でゆっくりふんわりと相手に球を戻します。
バレーボールは「レシーブ」「トス」そして最後に「アタック」でボールを相手に返しますよね。この一連の流れを会話に置き換えると、最初に相手の言葉をちゃんと拾う「レシーブ」がある。次に、そこから次の展開を考えて「トス」を上げる。最後の「アタック」は試合ではないのでバシッと打ち込まないで、ふんわり相手に返すというのはどうでしょう。相手側も「レシーブ」「トス」、そして、ふんわり返してくれる。そんなふうにラリーが続くと、会話はどんどん盛り上がります。
「〇〇さん、今日のシャツ、素敵ですね」
「ありがとう!(レシーブ) めっちゃお買い得だったんですよ。(トス) あと10枚くらい買っといたらよかったかな(笑)(アタック)」
「さすがですね!(レシーブ) センスいいだけじゃなくてお買い物上手って最高ですね。(トス) 今度一緒に買い物に連れて行ってくださいよ(アタック)」
「ぜひ! ご一緒しましょう」
このやさしくて楽しい言葉のラリーを、いきなり「ブチッ」と切ったり、相手が受け取れないくらいに「バシッ」と強く打ち込んだりする言葉があります。それが「でも」と「だって」です。
「でも」「だって」のマイナス返しは絶対NG
「でも」「だって」で相手の言葉に反応することを、僕は「マイナス返し」と呼んでいます。たとえばこんな感じ。
「○○さん、今日のシャツ素敵ですね」
「でも、これ安物よ」
「値段なんか関係ないですよ、センスの問題です」
「センスなんてないですよ。だって、適当に選んだんですよ……」
こういう会話、疲れませんか? 僕はへとへとになります。「でも」「だって」は楽しい会話・やさしい空気を妨げる大きな要因の一つです。僕は、マイナス返しする人とはなるべくしゃべらないようにしているくらいです。ストレスがたまる一方ですから。
バレーボールにたとえるなら、レシーブせずに、いきなりブロック! という感じ。勝負をかけて試合しているわけじゃないんですから、そんなに「壁」をつくらなくてもいいんじゃないかと思います。
*本記事は、「ゴゴスマ石井の なぜか得する話し方」から抜粋・編集したものです。