「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

【50代必見】独立後、無収入が続く人とすぐ稼げる人の違いPhoto: Adobe Stock

40代は準備、50代から実践!

 これまで「40代からは『稼ぎ口』を2つに」というメッセージを繰り返し発信してきました。本業以外に「稼げるライフワーク」という2つ目の稼ぎ口を見つける生き方です。

 メッセージが「40代から」なので、40代がメインだと思われがちですが、40代は準備、本丸は50代です。50代には後がなく、誰もが真剣になるからです。

 そこで今回は、50代で「稼げるライフワーク」に取り組まれて、100%好きな仕事だけでサラリーマン時代の収入を凌駕したシニアの実例をご紹介しましょう。

独立の王道は、コンサルティングと営業代行

 さいたま市在住の大杉潤さんは、8年前の2015年に57歳で独立されました。合同会社を設立して奥様を社長に据え、大杉さん自身はフリーランスとしてそこから外注を受ける方式です。企業研修講師とコンサルティングから、最初の一歩を踏み出しました。

 中小企業庁の調査によると、サラリーマンが独立する際に一番多いビジネスは、コンサルティングや営業代行のような情報ビジネスです。その意味では、大杉さんほど参考になる典型的な好事例はないでしょう。

老後の居場所と収入は自分で確保するしかない

 大杉さんの場合、44歳のときに初めての転職を経験し、その後、人材会社や地方のメーカーなどで、「雇われる働き方」を経験されました。

 そして、57歳にて独立する道を選択されました。なぜ定年の60歳まで待たなかったのでしょうか?

 それは、人生100年時代を前にして、定年後の長い人生に大きな不安を感じたからだそうです。

 会社員のまま過ごしていれば安定は得られますが、定年再雇用では65歳までしか雇ってもらえません。100歳まで35年もあるので、サラリーマン人生と同じ長さの人生が残っています。その間、年金しか収入源がないとは不安で仕方ないですよね。

 しかも、定年退職した人が一番苦労するのは、居場所の確保です。平日に図書館や公園やマックなどに行くと、その実体がよくわかります。

 そんな世間の実情に気づいた大杉さんは、65歳以降も働いて収入を維持し続けたいと考えて、独立を選択されたわけです。

デュアルライフを通じて仕事とプライベートを両立

 65歳以降も働いて収入を得るためには、「雇われる働き方」ではなく、自ら事業を起こす必要があります。そのスキルを習得するために、大杉さんは転職を3回行なって、さまざまな職務経験を積んできました。

 こうして57歳のとき、サラリーマン時代に培った職務経験を活かして、研修講師およびコンサルタントとして独立。

 その後、伊豆の中古リゾートマンションを事務所用に購入して、さいたま市と伊豆とでデュアルライフを楽しまれています。

「副業ごっこ」から始めれば、シームレスに独立できる

 大杉さんの例からもわかるように、定年前の57歳で独立すること自体は簡単です。いえ、むしろ50代で独立するほうが安全かつ効果的です。かくいう私も、50代で独立しました。

 しかしその一方で、独立当初からすぐに軌道に乗る人は稀なようで、大杉さんも59歳までの2年間は収入が安定せず苦労されたそうです。

 そこで、軌道に乗るまでの不安定な時期を乗り切る方法の1つとしてお勧めしたいのが、「副業ごっこ」から最初の一歩を始めることです。

 順調に進めば、シームレスに副業化し、シームレスに独立できるようになります。副業未満の「副業ごっこ」ですので、副業禁止の就業規則に違反することもありません。副収入が300万円に達して副業レベルになった時点でプライベートカンパニーを設立すれば、副業禁止に違反することもありません。

 新年度が始まった4月こそが、新しいことにチャレンジし始める絶好のタイミングです。特に50代のシニアにとっては、自分らしい生き方を選択できる最後のチャンスでもあります。諸先輩の生の声に耳を傾けると、それがよく分かります。

 後悔先に立たずといいます。人生はやり直しがききません。だからこそ、50代で「雇われる働き方」から卒業し、100%好きな仕事だけで稼ぎ続ける人生を選んでみませんか。そのための第一歩として、「副業ごっこ」から試してみましょう。

参考文献)『定年前後の生き方の悩みを解消するならこの1冊! 定年ひとり起業 生き方編』

**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。