中国の日系現地法人が
ターゲットとなる可能性も

 技術流出は、日本国内で行われるものだけではない。現地法人(日系企業)がターゲットとなり日本の技術が流出する恐れがある。特に中国については次の点に注意していただきたい。

(1)国産化政策
 プリンター(複合機)で注目されたが、中国は、外資企業に対し、現地設計・生産を求め、拒否すれば政府調達から外すといった揺さぶりをかける。事実上の強制技術移転のような条件が示された企業は、設計から製造までの機能を中国に置くか、もしくは中国市場と距離を置くのか、選択を余儀なくされるのだが、当然技術移転がなされれば、日本企業は競争力を失うことは言うまでもない。

(2)外資奨励策
 欧州商工会議所の報告書で指摘されたことだが、中国が優先的に取得したい技術・ノウハウに関し、外資企業を誘致する。中国が弱い分野については中国が競争力をつけ将来の自立を目指し、中国政府が外資企業を手厚くサポートする。次いで同分野が育ち、外資企業が撤退しても中国企業に切り替え可能となれば静観。さらに中国が同分野の競争力を取得した場合は、冷遇して外資企業を市場から排除していく。

(3)その他各種法令
 先日の中国による人質外交ともいえるアステラス製薬の日本人男性拘束事件を例に、中国において恣意(しい)的な運用が懸念される法律は多数あるため、十分にその内容を確認してほしい。具体的には次の4つが挙げられる。

・改正反スパイ法(7月施行、“人”に対する適用から“企業”に拡大していくとみられる)
・国家安全法、国防動員法
・国家情報法
・中国会社法など