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パリの「地下墓地」に観光客行列、600万体の遺骨が納まる迷宮に戦慄【写真付き】カタコンブ・ド・パリの前半部分

 カタコンブ・ド・パリは地下に広がる施設だけに、普段のパリ観光とは違った注意が必要です。見学できる地下空間のある場所は、地上から20m以上潜った場所。地下鉄が通る深度と比べて、かなり深いところまで降りていきます。階段は下りが131段、上り112段あります。見学はすべて徒歩になり、ところどころが地下水で濡れているので、歩きやすい靴で訪れましょう。地下空間のため、温度は常に14度あたりに保たれています。夏は涼しく冬は暖かいですが、寒暖差があるため温度調節できる服装が必要です。

 カタコンブ・ド・パリ内の見どころはいくつかあります。カタコンブ・ド・パリは初めから終わりまで納骨堂になっているわけではありません。前半部分は坑道を進んでいきます。

パリの「地下墓地」に観光客行列、600万体の遺骨が納まる迷宮に戦慄【写真付き】当時、石切場だった様子が分かる

 まず目に入るのが、通りの名前が書かれた標識です。これは地上のどの通りの下にいるのかが示されています。ただし、それらの通りの多くは現在では名前が変わっていて存在しません。

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 さらに奥に進むと、天井の高い巨大なアーチ構造の空間を見学できます。採石場は地層と採掘できる石の種類によって2層構造になっており、見学コースのさらに下の地層にも坑道が広がっています。それらふたつの空間をつなぐための場所がこの巨大な空間です。これらを過ぎると、いよいよ納骨堂です。

パリの「地下墓地」に観光客行列、600万体の遺骨が納まる迷宮に戦慄【写真付き】2層の坑道をつなぐ大きな空間