「冷静さ」は、トラブル発生などのまさかの事態においては、誰よりも適切に対処できる、素晴らしい能力です。

 ここでの悩みのように、「感情表現が苦手」といった「冷静さ」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

「冷静さ」がマイナスにあらわれると

 では、なぜ「感情表現が苦手」になってしまうのでしょうか。

 冷静さを保つのが得意な人は、よくも悪くも「外から感情が見えにくい」という特徴があります。

 多くの人にとって、感情を読みにくい相手と会話するのは、言葉の通じない相手と会話するのと同じぐらい緊張するものです。

 当然ですが、人は、自分が楽しいときに一緒に楽しんでくれて、悲しいときに親身に寄り添ってくれる「感情のキャッチボール」をくり返すことで、親近感や信頼感が育っていきます。

 トラブルも何もないごく平穏な日常の場では、「冷静さ」は、周囲から距離を置かれてしまう、やっかいな能力でもあるのです。

「冷静さ」がプラスにあらわれると

 ではどうすれば、冷静さをプラスの出方にすることができるのでしょうか。

 マイナスからプラスへの変身のコツは、最高の笑顔を浮かべている自分の写真を一枚用意して、スマホやケータイの待ち受け画面として設定しておくことです。

「笑顔の練習」をするという方法もありますが、このような人にとってはあまり向いていません。いきなり四六時中、笑顔を意識するのは難しいでしょうし、無理に意識してもぎこちない顔になってしまうというものです。

 そこで、待ち受け画面に自分の笑顔を設定しておき、特に人に会う前には意識して眺めるようにするのです。