「合理性」がマイナスにあらわれると

 では、なぜ「真の友人が少ない」ようになってしまうのでしょうか。

 合理性を追い求め過ぎると、「少し遠回りになるかもしれないが、実は重要な物事」まで、切り捨ててしまうことになります。

 とりわけコミュニケーションでは、この「少し遠回りになること」が、実は最も大切だったりします。そのひとつが雑談で、生きた情報が多く含まれていますし、何より信頼関係を築くのに欠かせません。

 しかし、合理的な人は、雑談のような「目的がわかりにくいもの」をつい避けて通ってしまいます。

 いわば、「話しかけないで」という雰囲気が漂う、「しゃべらないモード」で毎日を過ごしてしまっているのです。

 これではどうしても人間関係が希薄になってしまいます。

「合理性」がプラスにあらわれると

 ではどうすれば、合理性をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

 マイナスからプラスへの変身の方法は「用事のない電話をかけてみる」ことです。

 いきなりいわれても、誰に? と迷いますよね。オススメは、スマホやケータイの通話履歴を開いて、下から順に(最近、電話をかけていない人から)かけていくことです。無作為に相手を選ぶことになるので、いいトレーニングになります。

 話題は、台風・大雨などの異常気象へのお見舞いや「体調への気づかい」など「万人に共通」のものを選べば、「いや、○○さんのことが心配になって……」と、どこの誰に電話をかけてもスムーズに話し始めることができます。

 一見、目的がなさそうな雑談にも、「信頼関係を育てる」という目的があります。合理性に富んだ人は、その判断力から頼られやすい存在ですが、「自分から頼ってもいいのだ」と気づけば、周囲は助けをさしのべてくれるはずです。