住宅ローン控除で
還付金も受け取れる
これだけではない。先述の通り、住宅ローン金利は0.3%近くまで下がっているが、これに減税制度まで付いている。
この制度は「住宅ローン控除」といい、借入額の0.7%相当の還付金が13年間受け取れる。つまり、5000万円の借り入れをすれば、毎年35万円の還付金がもらえるわけだ。
この住宅ローンの金利を0.3%とすると、金利相当の15万円は支払う必要があるが、残りの20万円は実質的に増えていくことになる。このように、国は持ち家取得を促進しており至れり尽くせりの制度になっている。
こんな状況なので、結婚・出産といわず、独身でも家を買うことを筆者は勧めている。結婚したら家を売って引っ越せばいいし、子どもが生まれたら、また引っ越せばいい。
だが、この「買い替え戦略」を実現するには、1つだけ条件をクリアしなければならない。それは、購入した物件価格が大きく下がらないことだ。
5000万円で購入した物件が5年後に4000万円に値下がりしていて、その時点のローンの残債が4300万円だったらどうなるか。
もし家を売っても、ローンを全額返済するには300万円足りないので、かえって損をしてしまう。
この場合、仲介手数料などの諸経費も考えると、売値は4500万円以上にしたいところだ。5年間で10%の値下がりにとどまるので、年間2%までの下落幅は許容範囲となる。
ちなみに、首都圏のマンションの平均下落率は2%だ。ほとんどの場合、マンションの年間下落率は物件の立地で決まってくる。だから、1都3県で比較的好立地に購入しておけば、安心ということになる。
特に都心寄り・駅近が有利なので、「都区部の駅から6分以内」などの物件にしておくと、物件価格が値下がりし、売るに売れなくなるリスクを大きく減らせる。