充実した教育支援制度や
豪華なシアタールームも
そもそも、米国の軍人のサポートをするUSOとはどういう組織なのか。
この組織は大戦中の1941年に遠く家族から離れて戦う兵士たちを慰問する目的でつくられた。入隊から、その後、軍を離れて一般のコミュニティーに戻るまでの間、USOは軍人に寄り添いサポートする。設立者はフランクリン・ルーズベルト元大統領で、長い歴史を誇っている。
在日米軍の軍人は家族と居住する場合もあるが、単身赴任のセクションもある。沖縄のキャンプ・ハンセンでは6カ月間、家族と離れて単身赴任で働く海兵隊員がいる。家族のいない生活は、短期間の赴任といえども不自由だ。1部屋をもらえる場合もあるが、4人でキッチンを共有することもある。ベッドとライティングデスクだけの空間は不便で、なおかつ孤独や不安を感じる。それゆえに軍人のサポートを担う仕組みが必要となる。
家族から離れて寂しいとき、私たちは電話をしたり、チャットをしたりする。遠い外国の拠点に赴任した軍人も、USOセンターに行けば、無料Wi-Fiを使って家族と通話ができる。
USOが提供するサービスはそれだけではない。米軍には軍人として働きながら、大学や専門機関の教育を受けられる制度が充実している。また、一定の条件をクリアすれば、奨学金が出る。そのため、軍人として働きながら、次のスキルアップを目指す者も珍しくない。
大学などの授業には調べものやレポート提出も必要だ。そのため、赴任地でレポートを提出するために、軍人はUSOセンターで無料Wi-Fiの他にコンピューターやプリンターを使うことができる。
USOのサービスは、自衛隊とは比較にならないほど充実している。USOセンターには、家庭にあるような快適なゆったりしたソファや高解像度テレビが置かれたリラックスルームの他、各種ボードゲーム、ビリヤード台、ゲーム機などが設置されている。
Netflix、Huluも映画鑑賞室やテレビで自由に鑑賞できる。PS5、Xbox360、Xbox One、Wii Uといった人気ゲーム機とソフトが多数あり、無料で使える。
さらには最高の音響環境を備えた数十人が入れるシアタールームもあり、その豪華さには筆者も圧倒された。