夫婦の家事シェア・ストレス回避の鉄則(3)
「50/50(完璧な折半)」を諦める
夫婦間で、家事をどちらがどれだけやったか、どちらが正確にできるか、どちらがより大変な思いをしているか…などとマウントを取り合うのは大変不毛なことです。
子育て家庭の男性から、「家事をシェアしてみたら意外にこなせてしまった」「妻の家事は効率が悪いんじゃないかと思えて仕方ない」といった話をされてびっくりしたことがあります。その方は家事スキルが元々高かったのかもしれませんし、もしかしたらただのビッグマウスだったのかもしれません。
家事分担に不満と負担を強く感じている妻側は、時として「この大変さを知るがいい…!」という“呪いマインド”で家事シェアを考えてしまうことがありますよね(恥ずかしながら私も一時期そうでした)。子育て家庭の男性の発言は、夫婦間のそういうやりとりの末の発言だったようで、話を聞いて、なんともやりきれない気持ちになりました。
「50/50(完璧な折半)」にこだわってパートナーに家事をさせても、心が軽くなれないなら、夫婦で当事者感覚を分かち合える関係性(「いや~お互い大変だよね家事!」と言い合えるような)を目指すことを私は強くおすすめしたいです。
当事者感覚をいち早く育むためには、トイレ掃除や風呂掃除などの単発家事ではなく、洗濯のような流れのある家事を丸ごと任せてあげてください(私が知っている家庭でも何軒か「洗濯大臣」がいらっしゃいます)。そして、任せるにあたってはできるだけパートナーの「楽をしたい」をかなえてあげましょう。
動き回るエリアをできるだけ固める
洗面所・脱衣所エリアに家族分の下着・インナー・靴下を収納して、乾燥まで終わったら直接しまえるようにする。洗面所が大きくない場合や、ほかの空き部屋・用途のはっきりしない部屋がある場合には、そこをファミリークローゼットに割り当てて、家族全員分の衣類を集める方法もあります。ファミリークローゼットは、壁面に天井つっぱり型のハンガーラックを立てて、チェストを並べれば完成です。
家事動線が効率的になると、「たたみ待ち衣類」がどこかにたまることがなくなります。未完了の家事が目につかなくなると、洗濯担当者も、そうじゃない人も快適さを実感できるはずです。
今回は、夫婦の家事シェアについて解説しました。片づけを楽にするための考え方と仕組みづくりについては、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす』という本に書きましたので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。
(家族の片づけコンサルタント sea)