朝鮮学校の子どもたちに罪はないし
このままではヘイトはなくならない

書影『それでも韓国に住みますか』(ワック)豊璋 著 『それでも韓国に住みますか』(ワック)

 上念氏の朝鮮学校に関する発言に対して、人権団体は「ヘイトスピーチだ」「MBSは差別言動を放置している」「子どもへの影響が心配」などと反発していたが、差別があるとすれば、それは全て大人が作り上げたものだ。子どもたちには一切関係ない。発言の核心は「子どもを利用している大人が一番悪い」ということだ。私はこの発言に強く共感している。彼の発言を「ヘイト」と抗議する人たちも、それを認めてしまう世間もおかしい。

 北朝鮮が日本へミサイルを飛ばしていることも、朝鮮学校を運営する朝鮮総連が北朝鮮とつながっていることも、疑いようのない事実なのだから、しかるべき声明、謝罪を行い、日本社会へ溶け込む努力をすべきだ。高校無償化の問題だけではない。外国人枠で生きる在日コリアンが、日本でいくらゆがんだ権利を訴えたところで、逆に差別が生まれるだけと私は考えている。

 まずは、全ての団体、組織が子どもを利用しないことから始めてほしい。子どもには自分の価値観で世間を判断し、学び、成長していってほしいと思う。

 昨年秋頃から、北朝鮮のミサイル発射を受けて、一部の朝鮮学校に抗議や脅迫の電話がかかってきたり、生徒たちが暴言を浴びたり暴行を受けたりという事態が起きている。今の日本で、何もしていない子どもたちがいきなりこんな仕打ちを受けることが、一般生活であるだろうか。朝鮮学校に通う子どもたちの言動そのものを、「ヘイト」と思う者はいないはずだ。いつだって、「ヘイト」かどうかを判断するのは大人なのである。

 今の時代、「ヘイト」という言葉は都合良く使われすぎだ。真実を語る人に対し、それを不都合と思う人が「ヘイト」と非難する。たとえ少数派でもその意見が認められれば、大多数の人たちの心配や疑問は置き去りになり、問題は全く解決しない。このままでは、朝鮮学校へのヘイトスピーチもヘイトクライムも、なくなることはないだろう。