「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の『はじめに』より一部を抜粋・再編集してお届けします。

人生を狂わせかねない「序列社会」
大学受験が終わっても、当然人生は続いていきます。むしろ、大学合格はゴールではなくはじまりです。ときには、大学受験よりも過酷な競争に皆さんが巻き込まれることもあるでしょう。
そんな競争社会に長くいると、偏った価値観に心が支配されてしまうことがあるので気をつけましょう。
大学受験もそうですが、世の中のほとんどのものには序列があります。「偏差値」や「企業規模」「ブランド」、そのほかにも「会社内での序列(出世できるか否か)」などその種類はさまざまです。
こういった序列の代表格が大学群です。「旧帝大」や「早慶上理」、「MARCH」「関関同立」など、受験生である皆さんならある程度順番をつけられると思います。
こういった序列による競争は健全であれば成長を促すものなので、僕は否定しませんが、一方で序列だけで世の中を見てしまうのはおすすめできません。
なぜなら、人生における「幸せ」の価値観は人によってさまざまだからです。
当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、これは非常に重要なことです。
今の時代、世の中の大抵のことは数値化できますが、いまだに「幸せ」だけは数値化ができません。当然、比較してどっちが優れているということも決められません。
皆さんから見た大金持ちも、もしかしたら内心は自分を不幸だと思っているかもしれないですし、周りからは貧しくてかわいそうに見える人も、自分の人生にとても満足しているかもしれません。
もうおわかりのとおり、「幸せ」だけはその人のなかにしか答えがありません。「高学歴だから必ず幸せになれる」わけでも、「有名企業に勤めているから必ず幸せになれる」わけでもありません。
しかし、これだけの競争社会、序列社会に身を置くと、少しでも序列の上のポジションに行くことだけが幸せなのではないかと人は錯覚してしまいます。