GW明け。仕事に行くのが憂うつになっている人も多いのではないだろうか。仕事や人間関係……うまくいかないことばかり、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterのフォロワーは15.9万人を突破、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、著者のわびさんに「病まないための3つの習慣」を聞いた。
「疲労感」から抜け出すには?
GWが終わってしまいましたね。この時期になると「よくわからない疲労感」が出てきます。
それは新年度の「やる気」とか「雰囲気」でごまかしていた疲れかもしれません。
精神的な疲れは、少し気が抜けてきた頃に一気にドーンとやってきます。
そして、この疲れを抱えたまま仕事や家庭で大きな負荷がかかってしまうと、病んでしまうおそれがあります。
そういうわけで、この「よくわからない疲労感」から早めに脱し、かつ、仕事や家庭でかかる負荷を軽減することが重要になってきます。私の経験上、それらの負荷を軽減するために必要なことは以下の3つだと考えています。
① 食事と睡眠をしっかりとる
② 「いろいろな世界」の住人になる
③ 「心の緩衝地帯」を持つ
次から1つずつ見ていきましょう。
①食事と睡眠をしっかりとる
食事と睡眠をしっかりとることです。
ごく当たり前のことですが、できていない人が多いと思います。
大人になると時間に追われることが多くなります。
忙しくなると、真っ先に削ってしまいがちなのが、食事と睡眠の時間です。
でも、食事と睡眠を削ることは、自分の回復方法を封じてしまうのと同じなんです。
自衛隊の災害支援でも、まずは自衛隊員が睡眠と食事が確保できるよう、徹底されています。
拙著『この世を生き抜く最強の技術』でも少し書きましたが、私がメンタルダウンする直前はまったく眠れなくなり、食も細くなってしまい、その結果、どんどん弱っていきました。
疲労を残さない、疲労からいち早く脱するためにも、食事と睡眠はしっかりとってください。
②「いろいろな世界」の住人になる
次に、いろいろな世界の住人になることです。
生きていると、少なからず叱られたり、否定されたりします。
たとえば、仕事に依存しすぎると「職場での否定=人生の否定」という思考に陥る可能性があります。
そういうわけで、仕事や家庭のほかに、没頭できる趣味、ときめく推し活など、自分が否定されない世界をいくつか持ったほうがいいです。
拙著『この世を生き抜く最強の技術』でも書きましたが、自衛隊のメンタルが超強い人は、メンタル自体が強いというより、仕事以外に没頭できる趣味を持っている人が多かったです。
誰にも否定されない「やさしい世界」で過ごすことによって、疲労感は軽減されるし、仕事や家庭でかかる負荷の軽減にもつながります。
③「心の緩衝地帯」を持つ
最後は、いつも「心の緩衝地帯」を準備しておくことです。
私の経験上、会社と自宅の往復だけだと、心が不安定になってしまいます。
美味しい定食屋、ぼーっとできる公園など、会社や自宅から少し離れたところになるべく多くの居場所をつくってください。
仕事とプライベートは「混ぜるな危険」です。
とくにこの春から就職などで新しい環境に移った人は、早めに心の緩衝地帯をつくるのがおすすめです。
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以上が私が実感した「病まないための3つの習慣」です。
あなたのまわりにいる、いつも元気な人を見てみてください。
おそらく、この3つのことができていると思います。
①食事と睡眠をしっかりとる、②いろいろな世界の住人になる、③「心の緩衝地帯」を持つ。
この3つを心がけると、「よくわからない疲労感」で悩まされることも少なくなるし、仕事などでかかる負荷も軽減できると思います。
また、私自身のメンタルダウンの経験やその経験を通して見つけた「心が折れないようにするコツ」を、拙著『この世を生き抜くための最強の技術』に書いているので、最近しんどいな、という方は参考にしていただけたらと思います。
みなさんのGW明けの健在を祈っています。