キャンプブーム、スキーブーム、日本製釣り用品も人気

 それは購買という点にも表れている。コロナ禍の影響もあり、2022年から中国ではキャンプブームが起きているが、そこでも「日本」の存在感が際立っている。

 杭州在住で30代の経営者の男性はSNSに「露営」(キャンプ)の様子を頻繁に投稿しているが、写真に写っているのはスノーピークなど日本のアウトドア用品メーカーの商品ばかりだ。その男性は「日本ではキャンプの歴史が長く、関連グッズもおしゃれで品質のいいものがたくさん売っている。アウトドア関連の雑誌も多く、いつもそれらを参考にしている」と話してくれた。

 釣り用品なども日本製品の品質が高いという評判が広まり、ダントツで売れている。スキー用品についても同様だ。日本はバブル後の1993年をピークにスキー人口が減少しているが、中国では2022年の北京冬季オリンピックの前からスキーがブームになった。約30年のズレがあるが、ここでも日本製のおしゃれなスキーウエアやスキー用品の需要が増大。日本のバブル時代をほうふつとさせるように、スキー場でSNS映えする写真を撮ることが若者の間で流行している。

 これらは彼らの「日本買い」のごく一部にすぎないが、日本は中国より30年早く経済発展しているため、どの分野においても「日本のほうが商品の種類が多い。品質が良く値段も安い。コスパがいいものが多い」と中国人は口をそろえる。日本では人口減少や需要減で売り上げがジリ貧の業界が多いが、中国人から見ると「ぜひ買いたい」というものばかりだ。