
規模の拡大を受け、転職希望者が増加している日本のプライベートエクイティ(PE)ファンド業界。華々しい経歴のサラリーマンたちを引き付ける魅力の一つが、高い給与体系だ。特集『プライベートエクイティ 金融最強エリートの正体』の#4では日系・外資系PEファンドの職位別の年収、そして知られざる成功報酬、キャリードインタレスト(キャリー)を解説する。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
転職人気が高まるPE業界
知られざるキャリーの実態とは
プライベートエクイティ(PE)ファンド業界の規模拡大を受け、同業界への転職者が増えていることを本特集の#2『ゴールドマン3位、マッキンゼー2位、1位は?急増する外資系PEファンドへの転職者「出身企業&大学・学部」ランキング【初公開】』で紹介し、中でも最も転職難易度の高い外資系PEファンドの在籍者の経歴・出身大学・学部について報じた。
PEファンド業界には、M&Aアドバイザリー業務の経験がある投資銀行勤務者、企業のバリューアップに強みを持つ戦略コンサルタントを中心に、事業投資に携わっていた総合商社マンや大手監査法人出身者などの転職希望者が増えている。
転職希望者が増加しているとはいうものの、PE業界への転職は依然として狭き門であり、PEファンドへの求人紹介を手掛けるタイグロンパートナーズの信藤啓吾氏によれば、「100人が選考を受けたら、受かるのは10人に満たない」という。
そんな高倍率を勝ち抜いたエリートたちがPEファンドへの転職を目指す理由の一つが、破格の待遇だ。PEファンド業界には、基本給、賞与のほかにキャリードインタレスト(キャリー)と呼ばれる成功報酬が存在しており、このキャリーが彼らの待遇を爆上げしている。
キャリーは、ファンドの運用によって生じた超過リターンから支払われる報酬で、数千万円から数億円に上るケースもある。ただし毎年必ず支払われるわけではなく、ファンドがクローズした際に想定以上のリターンが出ると発生する。
一体、PEファンドの社員はどのくらいの報酬をもらっているのか。そして、同じPEファンドでも日系と外資系ではどれほどの給与格差があるのか。
日系・外資系PEファンドの職位別の年収、そしてキャリーの仕組みについて、次ページで公開する。