【具体的なお悩み】
55歳独身、警備業界で働く契約社員です。
私は45歳の時に前職(ITプロバイダーの総務、年収400万円)を早期退職し、1500万円の退職金を受け取りました。
ですが、諸事情で借金があり、退職金のうち600万円をローン返済で消費しました。
ローン返済後も生活水準を落とせず、残りの退職金を使い込んで500万円の負債を抱えました。
3年前に「給与所得者等再生(個人再生)」認可を受け、120万円の借入金を5年がかりで返済中です。
そのため現在は、ほんの少ししか貯蓄できていません。
公的扶助制度の利用も検討しており、民生委員に相談に行くか迷っているのですが、どうすべきでしょうか。
定年退職後の生活がどのようなものになるか、全く予想できません。
あと2年で借入金を完済した後は、少しずつ貯金をするつもりです。老後の生活を安定させる資金繰りについて、ご意見をいただけると幸いです。
手取り金額が少なすぎる?
給与明細を要確認
それでは早速、相談文の内容を踏まえながら、Tさんの家計収支を試算していきます。
相談文には公的年金の受給見込み額など不明な部分があることから、推測を交えて回答することをご承知おきください。
ただし、本題に入る前に、筆者には一つ気になることがあります。
Tさんの現在の収入は額面290万円、手取りの月収は18万円程度です。ボーナスの記載がないことから、賞与は支給されないとしても、額面金額に対して手取り金額が少なすぎる気がしてなりません。
相談文に記載の通り、手取りの年収が216万円であれば、額面の年収(290万円)との差額である74万円が健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税などとして差し引かれている計算です。
Tさんの場合は、これらの負担が重すぎる印象です。
Tさんの負担率(74万円÷290万円)は約25.5%ですが、通常の19%前後と比較して6.5ポイントほど高いのです。額面の年収290万円から計算すれば、通常よりも年間で15万9500円、月間で1万3290円ほど多めに支払っていることになります。
記載ミスであれば問題ないのですが、もしそうでなければ、社会保険料・所得税・住民税以外に何が差し引かれているのか、給与明細を確認してください。Tさんにとって月1万3290円はかなりの金額になるのですから。
ただ実態が分からないので、今回の試算は、相談文に記載の通り「手取り年収216万円」の前提で行います。