「個人再生の認可」を受けたのに
貯金「ほぼなし」の理由は?

 月間支出の合計は15万3000円と記載があるので、年間支出は183万6000円です。年間収入216万円、年間支出183万6000円ですから、年間黒字額は32万4000円です。

 この金額が毎年の貯蓄に回っているはずですが、相談文には「住宅の更新料のために積み立てている数万円以外、ほぼなし」と書かれている点にも少し引っ掛かります。

 2年に1度、賃貸住居の更新費が15万円かかるのは確かに痛いです。とはいえ、3年前に個人再生の認可を受けた後、記載通りの生活ができていれば、65万円~80万円程度の貯蓄を保有していてもおかしくはないはずです。

 できていないということは、何かに使ってしまったのかもしれません。もしそうだとしたら、筆者は「何のために個人再生の認可を受けたのか」と疑問を禁じ得ません。

 酷なことを述べるようですが、これから心を入れ替えて家計収支を改善しないと、記載のある「公的扶助制度」の利用も真剣に考えなければならないでしょう。

 もし相談文の通りであれば、Tさんの金融資産は(積み立てた更新料を除けば)ほぼ0円ですから、一日でも早く老後に向けた貯蓄を行うべきです。健康保険には加入されているものの、大病やケガをした場合にカバーする原資が何もないからです。

 病気やケガはいつ何時起こるか分かりませんから、備えるために県民共済などの「医療共済」に加入しましょう。毎月の保険料は2000円程度で済み、その原資は現在の通信費(1万4000円)を見直せば捻出できるため、年間の貯蓄額が減少することはないはずです。

 では、Tさんの今後の貯蓄プランを考えていきましょう。

 先ほど算出した、年間32万4000円の貯金を2年間行うと、64万8000円の貯蓄ができます。ここから、賃貸住居の更新費15万円を差し引いた残額は49万8000円です(今回は便宜上、現在までに積み立てている金額は考慮しません)。

 切りが悪いので、目安の金額を少し引き上げて50万円とします。何とか2000円を捻出して、2年間で達成を目指しましょう。

 相談文によると、ちょうど2年後、Tさんが57歳の時に借金を完済するようです。そのため、57歳以降は毎月の返済額である2万円(年間24万円)を貯蓄に回せます。

 現在の年間黒字額である32万4000円に24万円を加えた56万4000円が、57歳以降の貯蓄額です。

 60歳までの3年間で169万2000円の貯蓄を上乗せできますが、賃貸住宅の更新料15万円が再び発生するので、実質的な上乗せ額は154万2000円です。