(2)収益性

 投資は、決まった収益が約束されているわけではありません。投資における「リターン」とは「このぐらいの収益が期待できる」という意味で「期待リターン」というのが正確です。そして、実際には期待以上の場合もあれば、期待以下の場合もあるということです。

 リスクが低い商品は、期待リターンも低くなる傾向があります。期待リターンを高くすれば、リスクも高くなります。リスクとリターンは比例するのが原則です。

 ただ、投資では「リスクが高い=悪い」ということにはなりません。逆にあまりにも期待リターンが低ければ、投資するまでもなく預金でいいということもあります。

 期待リターンは、自分が許容できるリスクや投資資金の使途、投資可能な期間などから逆算して期待できる収益を上限とし、リターンを追求するあまりリスクを無視しないように適度なバランスを見極めましょう。

(3)流動性

 投資に限りませんが、資産を現金にするためにかかる時間という点も重要です。

 例えば、資産形成の方法としては、長期積立投資がよく推奨されます。一定の目標を立てておき、継続的に運用した成果を実感することで、モチベーションを上げることにもつながります。ただ、途中でマイホーム購入の頭金や子どもの教育費、親の介護費用など予期せぬ支出が発生することも考えられます。そのため、急にキャッシュが必要なときに現金化しづらい商品ばかりだと困ります。

 また、株式など値動きの大きい商品では、株価が高いときと現金化が必要なタイミングがうまくマッチするとは限りません。そういう場合は、株価が高い(=利益が出ている)うちに、少しずつ売却しておくことがおすすめです。

 金融商品の購入時には、解約に必要な期間や条件を必ずチェックしましょう。今は現金を使う予定が思い当たらなくても、数年後には急に必要になるかもしれません。また価格変動の大きな商品を売却するときは、余裕を持って対応しましょう。