中国のペット保険市場
さらなる拡大を期待
医療と同様に保険ビジネスも拡大している。ペット保険の市場は、2016年の1.1億元(22億円)から2022年には63億元(126億円)へ拡大している。保険加入率は、依然として飼育者の数%に過ぎず、保険市場のさらなる拡大が期待できる。
もちろん、ペット保険の健全な拡大には、医療体制や健康維持サービスの充実が必須である。医療体制が整わない中で保険加入者が急増すれば、保険会社はリスク率から掛け金の変更を余儀なくされるからだ。
ペット市場に限らず、多くの市場において、今世紀の中国は急発進と急ブレーキを繰り返しながら、ビジネス創造をしてきた。ペット市場も同様かもしれない。
しかし、ペット市場が扱うのはモノではなく、動物だ。たとえハードランディングがあっても、ペットの遺棄は認められない。早急なサプライチェーンの健全な連携が望まれる。
(フロンティア・マネジメント シニアアドバイザー 中村達)