株式会社を支える
「2つの元手」
【元手1】資本金
資本金は本来、会社のために他の方から出してもらうお金です。会社が発行する株式と引き換えにお金を受けとり、それをもとに事業を行います。そして株主には、配当や売却益で還元するのです。
しかし中小企業の場合、他の方からお金を出してもらうことは少なく、経営者または経営陣が出していることが多いでしょう。例えば、会社設立のときに1000万円出資していれば、資本金1000万円の会社ができます。この1000万円を元手として事業を行うわけです。
【元手2】総資本利益率
もう1つは総資本利益率という考え方です。この場合、元手には資本金の他に負債及び利益剰余金を含みます。取引先へ支払っていない代金も元手の一部と考えるのです。
例えば、今月20日に100万円の商品を仕入れて、来月30日に100万円を支払うとすると、無利息で40日間お金を借りていることになります。
こういった買掛金や未払金、従業員の給料から天引きし一時的に預かっている預り金、お客さまから前もって受けとる前受金、金融機関からの借入金なども事業の元手として投資できるわけです。
これら負債と資本金などを合わせて総資本といいます。この元手(総資本)でいくらの利益を上げたかが重要な指標です。この率を総資本利益率といいます。