処方箋としては、

・常に最終目的を達成することを意識する
・そのための全体要素の中での自部門の役割を認識する

 ことが必要である。

 フェルミ推定で、全体を意識したアウトプットを出すための各因数のバランスよい算出を習得すべきである。

「経験至上主義」―一般化・モデル化・共通の解法の適用

 具体的な症状としては、

・自分の経験のみを行動のよりどころとしている
・自分の置かれた環境を実態以上に特殊だと思っており、他者(他社や他業界)から学べることはないと思っている
・事象を一般化して議論することは嫌いである

 といったところである。

 処方箋としては、

・まずは自分の状況の置かれた状況が必ずしも特殊でないことを認識して他の世界から学んでいく姿勢を持つ
・一般化や抽象化によって、応用力を広げるという意識をつける

 が挙げられる。

 そのためにフェルミ推定で学ぶべきことは、事象の一般化・モデル化・複数対象への共通の解法の適用等である。

まとめ

1.フェルミ推定の意義は、個別の問題そのものを解けることになることよりも、その基本精神やプロセスを身の回りの問題解決に適用していくことである。

2.我々の中には「検索エンジン中毒」、「情報コレクター」、「完璧主義」、「猪突猛進」、「セクショナリズム」、「経験至上主義」等のような思考回路がひそんでおり、これらが具体的にフェルミ推定の精神を学ぶべき対象として挙げられる。