「脳ドック」では
海馬の体積は測定できない

「脳の健康をチェックするには、脳ドックが一般的です。脳動脈瘤や、脳梗塞、脳出血などの脳卒中については読影、すなわち人の目による確認はできますが、海馬の体積を計測することは不可能です。定量的に計測をするには、AIの解析技術が最も適しています。客観的かつ定量的にデータを示すことで、実際に認知機能が低下する前から対策を立て、医学的に根拠のある予防を促すことができるようになっているのです」

 やや専門的になるが、瀧氏はBrainSuiteの仕組みについて、こう解説する。

「通常、脳ドックでは、T1強調像、T2強調像、フレア画像など、複数の画像を撮像しますが、BrainSuiteで解析を行う場合、3次元収集T1強調像のみを撮像すれば十分です。ここでAI画像解析技術により、海馬の範囲を特定し、体積等を測定します。その上で、年齢・性別により区切られた母集団モデルによる統計解析なども自動で行い、ご自身の海馬が、健康に保たれているのか、それとも加齢以上に萎縮しているのかなどを、定量的に明らかにします」