2022年11月発売以来
受注は4万7200台と好調

 前モデルからの進化について具体的にいえば、車体剛性とステアリング周辺の剛性が高まったことでのしっかりとしたハンドリング、外部からの音の進入が抑制された車内の静粛性の高さなどである。

 そして、新開発e-POWER(エンジンで発電しモーターで駆動する日産独自のパワートレイン)専用のHR14DDeエンジンとバッテリーマネージメントシステムの絶妙な連携による、まるで「四駆なのか?」と思わせるような前後バランス良さなど、「恵みの雨」の中でしっかり体感することができた。

新エンジンを発電機として使う、シリーズハイブリッド方式のe-POWER新エンジンを発電機として使う、シリーズハイブリッド方式のe-POWER Photo by K.M.

 ただし、「あいにくの雨」の影響もあった。

 日産が得意とする、自動運転技術を活用したADAS(先進運転支援システム)のプロパイロット2.0については、GPSの受信状況などプロパイロット2.0が作動する条件を満たすことができなかった。そのため、高速道路での走行は、通常のプロパイロットのみを利用した。

 新型セレナは22年11月からガソリン車・2WD、また23年1月からガソリン車・4WD、そして23年2月24日からe-POWER車の受注が始まっている。

 23年5月22日時点で新型セレナの累計受注台数は4万7200台に達した。4万7200台のうち、価格が高い実質的な上級モデルであるe-POWER車が54%(2万5488台)と半数を超えている。

 日産関係者は「先代モデルでは、e-POWER車が累計2万台を超えるのに半年かかったが、今回はたった1カ月で到達した」と、e-POWER車の(販売の)立ち上がりの良さに驚いている様子だ。

 受注の詳細を見ると、e-POWER車でのグレード別では、売れ筋が上級モデルの「ハイウェイスターV」の78%と圧倒的で、次いで新設定の最上級グレードの「LUXION(ルキシオン)」が13%となり、「XV」が7%、「X」が2%と続く。

 ガソリン車でも、「ハイウェイスターV」が76%となっていて、セレナに対するユーザーの上級モデル志向が強いことが分かる。

 また、外装色ではe-POWER車とガソリン車のいずれも、「プリズムホワイト」が約4割と多く、主要オプションでは、e-POWER車ではメーカーオプションナビが86%、また1500W電源が38%という結果となった。