ポテンシャルが高いことは間違いない
今後の成長を見守りたい
全体的に素直な印象のXDに対し、PHEVはやや癖があった。PHEVは188ps/250Nmの2.5Lエンジンと、175ps/270Nmを発生するモーターの組み合わせ。EVとして最大で80kmほど走れる。モーターのみで走り出す。やや重々しさを感じた。ステアリングの操舵力が重めなこともあって、なおさらクルマの重量を意識させられる。ただし車速を高めていくと、静かでスムーズな電動駆動を味わえるようになった。モーターのみでも力感はそこそこある。バッテリー残量が減ってきたところでチャージモードを選択。エンジンがかかっても、煩わしさは感じない。このあたり制御は好印象である。
乗り心地はあまりよくない。比較的フラットに見える路面でも、こんなに凹凸があるのかと感じたほどだ。全体的にどうも足がきれいに動いていない。ピッチングセンターを通常とは違って車体と離れた位置に移した影響か、路面を見て予測したのとは違う揺れ方をしたり、アンジュレーションでゆらゆらとバウンシングし続ける。
ワインディングではロールがあるところで不自然に止まってしまい、コーナー外輪に荷重が集中する感覚もある。もう少しバンプラバーを短くするなどしたほうがよい気がする。
CX-60の基本ポテンシャルが高いことは間違いない。メーカーも現在の問題を確認していて、手直しを始めている。今後の成長を見守りたい。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/竹内龍男)