DXによる成果評価の頻度の低さが
目立つ日本企業
白書を見ていくと「ITに見識のある役員の割合」「部門協調」「予算確保」「成果評価の頻度」などの面で、日本企業のDX取り組みには課題があると考えられる。特に、取り組みの成果を評価する頻度の低さは気になるところだ。これでは仮にDXに取り組み始めても、「やってみたけれども、うまくいっているかどうかは分からない」「どう改善すればいいか分からない」という企業も多いのではないだろうか。
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また、すでにレガシーシステムの置き換えが進む米国と比べて、日本では半分以上残っているという企業が41.2%にもなる。「2025年の崖」が叫ばれ、DX=レガシーシステムの刷新と誤解されたほどだったにもかかわらず、である。
とはいえ、DXに取り組んでいない企業では「レガシーシステムが自社にどの程度残っているのか」すら把握していない企業が40.8%も残っている。DXへ取り組むことが、レガシーシステムの把握・刷新へのきっかけとなっていることはうかがえる。
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システム開発の手法と技術については、SaaS、IaaS、PaaSなどのクラウドサービス活用は進みつつある。しかし新しい開発手法や技術の活用度合いは、米国と比べて低く、従来の手法から脱却できていない企業が多いようだ。
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データ利活用は進みつつあるが、全社で取り組む割合が日本では低く、取り組む予定がない企業の割合も約20%ある。また、利活用による効果を測定していない企業も5割前後と多い。
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日本ではデータの利活用がデータ整備やマスターデータ管理などの基礎段階にある企業が多い。データ整備・管理・流通においては人材、システム、文化といったさまざまな領域で課題があるため、効果が出るまでに至っていないのではないかと白書では分析している。