日本の上場企業の大半は
「たたんだほうが株主が喜ぶ」会社

 よく、長年のゴールを達成した後に虚脱状態になるアスリートがいらっしゃいますが、私は「たぶん日本経済は3万8915円超えをした後に虚脱状態になる」と危惧しています。来年にかけてはコロナやウクライナのようなサプライズなマイナス要因が出現しない限り、日経平均が4万2000円ぐらいまでは余裕でいくと思うのですが、それが長くは続かないという予測です。

 先に根拠を示しましょう。投資家界隈で問題になっていることの一つが、日本企業のPBR(株価純資産倍率)の低さです。PBRとは企業の時価総額を純資産、言い換えると会社の資産を全部売り払った後に残る価値で割ったもので、このPBRが1よりも低い会社は株主から見れば「ここでもう活動をやめちゃった方が、利益が出る会社」を意味しています。

 今、問題になっていることは東証のプライム市場とスタンダード市場に上場する3274社のうち、過半数にあたる1728社がPBR1倍を割り込んでいることです(2023年6月14日時点)。

 直近のデータで銘柄スクリーニングをしてみると、時価総額5000億円以上の超優良銘柄の中にも「会社をやめちゃったほうがお得な」PBR1倍以下の企業が79社あります。

 主な企業名を挙げると、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの3メガバンクやオリックス、SBIホールディングス(HD)のような金融関連の企業、三井不動産や野村不動産HD、日本郵船や商船三井、鹿島建設や大林組、東レや旭化成、日本製鉄やJFEHD、ホンダにSUBARUといったような会社の名前がずらりと並びます。

 ちなみに13日、トヨタがPBR1.03倍と1倍以上のグループに昇格したことが経済ニュースになりましたが、それまでのトヨタも会社をたたんだほうが、株主が喜ぶ側の一員だったわけです。

 このことの何が重要なのかというと、これらの会社はお金があるのに投資をしていない会社なのです。経営者目線で考えるとわかりやすいのですが、経済の先行きが不透明で不安な場合、内部留保を増やしてこれから先に備えようとします。何に備えるかというと、従業員の給料が払えなくなることがないように備えるわけです。