安全やユーティリティについても新世代
新型は公道を走らせるのが楽しみなクルマ
ピットへの流入路には、突起状のマットを敷いてハーシュネスを確認できる区間が設けられていた。通過したときの印象は新旧で別物だ。従来型は、入力が車体全体に響きわたるイメージ。新型は入力のレベル自体が小さく、いい意味で音そのものが響くことなくすぐに収束する。これは新しいSGPとルーフに施したマスチックが大いに効いているに違いない。
全体的に新型のほうがドライブフィールがずっと上質になっていた。体をしっかり支えることで、頭部の揺れ方を抑え、快適性を高めた新しいシート構造も好印象である。
新旧の差がよくわかったところで、新型の4WDとFFを乗り比べた。意外な発見があった。なんと、FFが望外に好印象だったのだ。
もちろん、SGPや2ピニオンEPSなどはどちらにも採用されているので基本性能がよい点は同じ。それでもFFのほうが走りが軽快で一体感が高い。おそらく、リアを駆動する機構がないことと、4WD比で車重が40kg軽いことが効いているのだろう。タイトコーナーや、コース上に設けられたスラローム区間をそれなりのペースで走ると、イナーシャが小さい。おそらく開発関係者は、スバルが作るFFだからと、改めて力を入れて作り込んだに違いない。
安全やユーティリティについても新世代。アイサイトは画角を従来型の約2倍に拡大した新型ステレオカメラユニットを搭載し、より広く遠い範囲まで認識できるようになった。そして2輪車/歩行者が認識できる広角単眼カメラを新採用。プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションが拡大している。
新型は若い世代のユーザーにもアピールするために、インフォテインメントも最新仕様である。ナビゲーションには“what3word”という新しい目的地入力の方法を導入。それを音声認識で操作できるのは世界初という。新型は公道を走らせるのが楽しみなクルマだ。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)