自前でリフォームを依頼するときも
「お金の流れ」を押さえておこう
だが、ここでも落とし穴に要注意だ。リノベーションされていない物件を購入した際、仲介業者がリフォーム業者を紹介してくる場合もあるが、仲介業者は必ずその業者からキックバックをもらっている。
お金の流れを理解せずに「紹介された企業だから安心だ」とリフォームを依頼した結果、思い通りのデザインにならなくても「知らなかった」では済まされない。親切心だけで業者を紹介してくれる不動産業者はほぼいないのが現実だと心得よう。
最後に、例外的に買っていいリノベーション物件を教えておく。不動産は築年数が経過すると価値が落ちるものだが、立地によって下がり方は大きく変わる。
例えば、首都圏の不動産価格は通常、平均で年2%下落するが、今の東京都港区は築年数によって価格が下がらない状況だ。
お隣の渋谷区でも、築40年弱の「広尾ガーデンヒルズ」というマンションをリノベーションして住んでいる人は多いが、その立地から満足度は高い。都心の好立地ならば、築年数に関係なく購入する人がいるのだ。
新築マンションの価格高騰によって、供給戸数が一時期の3分の1まで減っている現在、好立地の中古物件は稀少性が高く「買い」であることは変わらない。
今の状況が続けば、都区部のリノベーション物件を購入し、しばらく住んだ後に売却を試みても、悪くない価格で買ってくれる人はいるだろう。
ただし、こうした例外を除けば、安易にリノベーション物件を購入すると数千万円単位の損失が出るので注意していただきたい。
見た目だけはきれいな築30年の物件を「新築に近い価格」で買い、その10年後に築40年の価格で売るのは、不動産投資の戦略として「大失敗」である。