サブスクの「わな」
数日間の“無料体験”に注意

 今回紹介したアプリはすべて有料で(無料で使える部分もごく一部ある)、すべてサブスクである。

 サブスク全盛となった現代だが、筆者は「やがて契約していることを忘れて、自覚なきまま死ぬまで搾取が続けられそう」という心配が拭い去れない。だからサブスクが苦手だが、「嫌な時代になったものだ」と考えながら三つのアプリを購入(サブスク契約)した。

 これら三つのアプリには数日間の無料体験期間が用意されているので、続ける気がないアプリは期間内に契約解除しなければならない。
 
 お値段は、それぞれ以下の通り。

【スピーク】
月1800円
年1万2800円(月換算約1067円) 
※プレミアムプラスは月4000円、プレミアムアンリミテッドは月6800円
【スピークバディ】
月3300円
12カ月プラン 2万3800円(月換算1983円)
【スタディサプリENGLISH・新日常会話コース】
月2500円(申込方法によって、価格が異なるようだ)
※スタディサプリENGLISHは他に「ビジネス英語・英会話」などのアプリが複数あり、それぞれその掲題のテーマを深掘りして学べる趣向になっていて、金額はそれぞれ微妙に異なる。

 これら全てを購入した合計金額を計算したところ、年6万円超えとなり、この数字を見て筆者は動悸(どうき)が激しくなるのを自覚した。
 
 なお、「スピーク」の無料体験期間について調べていると、ちょっと深いところに「7日間の無料体験が終了する24時間前までにキャンセルされなかった場合、正式なプレミアムプランの購読・自動決済の更新が開始します」と書いてあるのを発見した。
 
「7日間の“無料体験”」と銘打っているものの契約解除の決断を6日間のうちにしない限り7日目開始時点で支払いが確定するということだ。ビジネスなのだから仕方ないが、うっかりさんにとっては厳しいシステムである。筆者が生きている間に、サブスクのこうした決済方式がすたれてくれないかと、つい願ってしまう。

 とはいえセーフティーネットはあって、無料体験期間を過ぎて決済を行った(料金を支払った)あとでも、グーグルプレイストアやApple App Storeを利用した「返金のポリシー」に基づいた返金の請求は可能である。だからギリギリの瀬戸際で救済措置は用意されているのだが、それがサブスクの横暴を許していい理由にはならないだろう。

 また、一応無料体験の5日目に「続けますか?」と連絡をくれるらしいが、それをみそぎとして許しを与えてはいけない。
 
「スピーク」などの料金について解説するつもりが、途中からサブスクへの「呪詛(じゅそ)」にすり替わってしまったが、悪いのはサブスクを憎む筆者ではなく筆者を憎ませるサブスクなので、ご了承願いたい。
 
 ともあれ、サブスクなりの、きなくさささえあるものの、「スピーク」は日本人の英語学習にとても向いていると感じた。スピーキング能力を伸ばしてくれる優れたアプリであることを、ここに伝えておきたい。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
最後の中見出し:サブスクの「わな」 7日間の“無料体験”に注意→サブスクの「わな」 数日間の“無料体験”に注意
24段落目:これら三つのアプリには7日間の無料体験期間が用意されているので、→これら三つのアプリには数日間の無料体験期間が用意されているので、
(2023年6月28日10:39 ダイヤモンド編集部)