これらの学生の中には、本選考までの間に志望業界や企業が絞られ、インターンシップに応募した企業とは別のところを受ける人ももちろん多くいると思います。ただ、「インターンシップの選考結果が、採用選考にも影響しそうだから……」と、応募をしなかった学生がいたとしたら、企業・学生に双方の貴重な出会いの機会が失われることになります。

 こうした背景から、企業側は、インターンシップの選考を行う理由や、そこで選考に落ちてしまっても採用選考には関係がないことなどをきちんと伝え、学生の認識との間にギャップを生まない情報開示をしていくことが求められます。企業に関心を持ち、インターンシップに応募するというアクションを起こした学生と、出会いの接点をつないでいく工夫が大切です。

変わるインターンシップのあり方
企業に求められる変化とは

 25年卒以降は、「インターンシップ」のあり方に大きな変化が出てきます。

 プログラム内容にさまざまな要件が定められ、「インターンシップ」と称して募集を行うには、所要日数を5日間以上とし、そのうち半分以上の日数を就業体験に充てなくてはならないなどのルールが明確になっていきます。

 その詳細は、次回の記事でお伝えしていきますが、インターンシップの定義がきちんと定まることで、インターンシップを実施できる企業が絞られる可能性があります。実施にあたっては現場社員の協力が不可欠になり、プログラム設計の準備にも時間とパワーがかかるからです。   

 同時に、参加できる学生数も絞られることで、インターンシップの選考に落ちてしまう学生が、これまで以上に出てくるかもしれません。インターンシップで落ちたから採用選考を受けなくなってしまっては、企業と学生との出会いの接点や、学生のキャリアの選択肢をさらに狭めてしまうことになりかねません。

 インターンシップの位置づけが学生の解釈に委ねられてしまうことがないように、企業の丁寧な説明努力がますます必要になっていくでしょう。