次世代の党は141万4919票獲得
ネット右翼総人口は200万人?

 結果、次世代の党は党首の平沼、園田博之の2名が地盤である小選挙区で当選したほかは全て落選し、比例ブロックでの当選者もゼロであった。とはいえブロック比例での全ての得票を合わせると141万4919票を獲得した。ここに初めて、ネット右翼の投票行動が自民党などと分離される格好となり数字として現れたのである。

 141万4919という次世代の党の数字は、ネット右翼の人口を考えるうえでほぼ全ての基礎になる数字である。有権者総数約1億人に対してのこの数字は、すなわち1.5%程度を示す。この時の衆院選の投票率は全体で52.66%という低いものであった(第二次安倍政権下)。いかにネット右翼が強い政治的主張をオウム返しする存在であっても、彼らの100%が投票所に行ったとは考えにくい。雑駁に考えて2%とするべきである。つまりネット右翼の総人口はこのことから有権者の約2%にあたる200万人程度と推定されるのである。

 次世代の党は14年衆院選挙で壊滅的打撃を被ったために、落選した多くの議員は自民党に復党した。当選した平沼、園田を筆頭に、落選組では杉田水脈らが自民党に移籍して後に国会議員になった。次世代の党は「日本のこころを大切にする党」に党名変更し、中山恭子が党首になって再建を試みたが、多くの人々が党を去って党勢衰微に歯止めがかからず、2018年11月を以て解党した。ちなみに中山は夫の成彬とともに2017年に希望の党に入党している。

ネット右翼票は
140万前後で推移

 次世代の党は実質的に14年衆院選挙でとりわけ有意な数字を残したものの、参考になる数字としてはこれきりで終わった。これ以外に、ネット右翼の総人口を推し量る国政選挙は無いのだろうか。参議院全国比例が適当である。参院全国比例は非拘束名簿式であり、立候補者個人への投票総数が可視化されるため、とりわけ「保守系言論人」とか「右派系言論人」が支持した全国比例候補が個人名でどの程度を得たのかを合算すれば、14年衆院選挙における次世代の党にならぶネット右翼の人口を類推する大きなデータになる。

 2016年参院全国比例でのそれは、対象とする候補の得票として青山繁晴48万1890、片山さつき39万3382、山谷えり子24万9844、山田宏14万9833、宇都隆史13万7993(全て自民、当選)であり総合計では約141万3000票になる。

 16年選出の改選である2022年参院全国比例では、同じく青山繁晴37万3786、片山さつき29万8091、山田宏17万5871、山谷えり子17万2640、宇都隆史10万1840(全て自民、宇都のみ落選)であり総合計は約112万2000票であった。