また、仕事に集中しているときには、メールやLINEの着信音(着信表示)も生産性を低下させるノイズとなります。着信の内容が気になっていちいちチェックしている間、仕事が停滞してしまいます。

 集中したいときには着信をオフにする、スマホを視界の外に置く、あるいは耳栓を着用するなどの工夫が必要でしょう。

リモートワークでは
なぜ仕事に集中できないのか

 2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業による在宅勤務導入は一気に加速した感があります。在宅勤務のメリットは、まず通勤時間が不要になること。満員電車で通勤するストレスや時間から解放されるため、リラックスした精神状態で仕事に取り組むことができます。

 周りの環境に左右されず、ひとりで集中できるところも魅力です。上司あての電話を取り次ぐ必要もありませんし、同僚同士の会話が耳に入ってくる心配もありません。外界との接点は、ビデオ会議やメールなどで連絡を取っているときくらい。ノイズの少なさは生産性向上につながる要素といえます。

 ところが、いざフタを開けてみると、「在宅勤務で意外と集中できない」という声も上がっています。いったいどういうことでしょうか。

 集中を阻害する最大の要因は環境の変化にあります。ビジネスパーソンの中には、仕事モードのスイッチを「場所」に設定している人がいます。このタイプは、会社という空間に入り、自分のデスクと椅子に着くと、自動的に仕事モードに入ります。これが在宅勤務になると、自分がスイッチとしてきた環境が失われるので、なかなか仕事に集中できなくなるのです。

 もちろん、時間が経てば自宅の環境にも慣れてくるので、自室の机や椅子に座ったらスイッチが入る状態をつくればよいのかもしれません。そのために「オフィスと同じような目線の高さでパソコンモニターを見られるように、本を重ねてパソコンの高さを調整する」といった環境づくりの手法がさまざま紹介されています。

 しかし、在宅勤務だけではなく、自宅以外でのリモートワーク、フリーアドレスなどが普及していく現状を考えると、「場所」をスイッチにするのはおすすめできません。