TSMCのシェア拡大vs巻き返し図るインテル

 台湾トレンドフォースの調査結果によると、23年1~3月期、ファウンドリ各社の売上高は、前年同期から減少した。最大手TSMCのシェアは、前期の58.5%から60.1%に上昇した一方、世界2位であるサムスン電子は同15.8%から12.4%に低下した。続く第3位、米グローバルファウンドリーズは、前期から0.4ポイント増の6.6%だった。

 ファウンドリ専業のTSMCと、自社製品とファウンドリの両事業を運営するサムスン電子の2社を比べると、競争力の差は拡大した。特に、最先端のロジック半導体の良品割合(歩留まり)の向上に関して、サムスン電子は苦戦が報じられている。

 一方、微細化の加速を背景に、TSMCは価格帯の高い最新チップの製造ニーズを取り込んだ。そのため、業績悪化は軽微だった。22年12月、台南市にてTSMCは、現時点で最先端の回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)のチップ量産を開始した。25年には、新竹市で2ナノメートルのチップ量産も開始予定だ。

 そして米インテルが、TSMCモデルの優位性を取り込もうとし始めている。6月21日、同社はファウンドリ事業を切り離し、24年にも世界第2位のシェアを目指すと表明した。16年、インテルは微細化につまずいた。それ以降、インテルはTSMCの製造技術に依存するようになり、半導体産業の盟主の地位をTSMCに明け渡していた。

 インテルが高い成長を実現するためには、今一度、自力で微細化を実現することが欠かせない。だから、インテルはファウンドリ分野への選択と集中を進める方針を明確にしたのだ。インテルは、ファウンドリ事業の分離が実現した暁には、外部顧客の製品と同様に、従来の自社製品の製造にも相応の料金を課す考えを示した。

 インテルのビジネスモデル再構築は、半導体産業の再編機運を高めるはずだ。生産能力を上げるための買収や提携などが、増える可能性は高い。世界的に金利が高止まりし、株価の下落が懸念されることも、半導体産業の再編機運を高める要素になるだろう。