また、S状結腸があるお腹の左下部分をグーッと押したり、恥骨部分をタッチするのも効き目あり。さらに、尾てい骨をトントン叩くのも排便へのサポートになる。

「トイレに長居は無用。出なかったら、潔くあきらめて退出です。でも、嘆く必要はありません。朝、トイレに行くという習慣ができたことは便秘解消への確実な一歩ですから。焦らず、習慣化していきましょう」

安心して使える「便秘薬」一覧
効果的な使用法も解説

「便は体に要らないものです。溜めれば溜めるほど、腸の流れは悪くなり、同時に血流も悪化します。血流が悪くなると、体の様々な場所に支障をきたすんです。上記のように生活習慣を工夫してもダメならば、薬を使ってでも出したほうがいいです。検査をして、大腸に重篤な病がないかを確認した上で、便秘の治療を始めましょう。便は出すに限ります」

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 石黒医師によると、便秘薬は全部で20種類ほどあるという(右図参照)。ここでは、一般的によく使われる薬を解説してもらおう。

・軽症者向け……酸化マグネシウム

・中症者向け……防風通聖散

・重症者向け……麻子仁丸

 酸化マグネシウムは、便秘の人には「まずはコレ!」というほどスタンダードな薬。便を軟らかくしてくれる作用がある。大腸の役割は水分を吸収すること。つまり、便を硬くしてくれるのだが、マグネシウムには大腸が水分を吸収しすぎないようにキープする効果がある。

 ただし、マグネシウムには腸を動かす作用まではないので、強度の便秘の人には効かないケースも。その場合は、漢方である防風通聖散や麻子仁丸もよく処方される。

 石黒医師は薬を服用する際の注意点として、次のように訴える。

「薬を飲むうえで大事なのは、途中で服用を止めないということです。せめて2週間は続けてください。便秘の人は即効性を求めすぎる傾向があり、2日~3日出ないだけで“効果がない”と飲むのを止めてしまいがちです。僕たち医者が見極めたいのは、『すぐに便を出す』ことではなく、『いかに一日一便の快適な排便に持って行くか』ということです。そのためには、しかるべき方法と時間が必要です」