ところで、そもそも何日出なければ便秘なのだろうか。

「僕は3日出なかったら便秘と位置づけています」と石黒医師。

「一般的には『不快感がない程度に便が出る状態』ならば便秘ではないと定義されていますが、この快・不快はあくまでも本人の主観。ドバッと便が出ているのに『もっと出さないと!』などと快便の強迫観念に囚われてしまう人もいる。それくらい判断が難しいのですが、ここは、シンプルに『出るのは何日に1回か?』という観点でチェックしたほうが現実的です。

 3日に1回も出ない人、あるいは出たとしても毎回コロコロの便しか出ない人は便秘です。まずは上記のようなことを試しながら、生活のリズムを整えてみましょう」

何より大事なのは「習慣化」
排便リズムを作る朝のルーティン

「“便はリズム”が大事です。いつもリズムよく出るようにするために朝のルーティンを実行しましょう。排便は習慣化が重要です」

(1)朝、起きたらコップ1杯の水を飲む(常温か白湯がベスト)
(2)朝食を摂る
(3)3分だけトイレに座る

 起きたら、まず水。飲むことにより、夜中、休んでいた胃も潤い、少しずつ動き出す。次に、朝食。炭水化物などの、ある程度量があるものを摂ることにより胃腸が刺激されていく。しばらくしたら、トイレに3分だけ座ってみるというのが基本ルーティン。

「このルーティンをこなすことで、私たちの体に標準装備されている体内時計が『朝ごはんを食べたら排便』というリズムに整っていきます」

 良い排便のためには、便意を感じた瞬間にトイレに行くのがベスト。しかし、便秘の人はそもそも便意が弱いので、軽い腹痛と勘違いして便意をスルーしがちなんだそう。だからこそ、まずは朝食後に3分だけトイレに座ることが重要だが、いきむ3分にせずともOK。代わりに腹式呼吸をして、お腹を膨らませたり、凹ませたりしてみよう。