日本ではツイッターの「治安の悪さ」と「競争」に辟易?

 また、日本国内の雰囲気を見るに、昨今のツイッターの「治安の悪さ」に辟易(へきえき)していたユーザーは少なくないのではないか。

 誹謗(ひぼう)中傷が多く飛び交い、政治的なイシューについては意見が対立するばかりで建設的な対話はほぼ見られない。また、デマや陰謀論も多く、差別的なツイートもなかなか削除されない状況があった。

 単なる日常的なツイートでさえ、嫌みや曲解のリプライが飛んでくることを覚悟して投稿しなければいけない空気があった。フォロワーの多い有名人であればなおさらだろう。

 また、もともとはなんでもない「つぶやき」をできる場であったはずのツイッターは、いつの間にか「いいね」や「リツイート」、さらにフォロワーの数を競い合う場になってしまった。自らのフォロワー数をまるで戦闘力かのように誇るユーザーを目にしたことがある人もいるだろう。

 さまざまな意味で気軽な「つぶやき」ができる場所ではなくなってしまったツイッターの閉塞感からすると、スレッズは急に湧いて出たオアシスのようにも感じられた。

 開始直後のスレッズでは、ツイッターでは告知のみだった人が楽しげな投稿をしていたり、バズ(拡散)狙いじゃない投稿もできそうでよい、といった感想も見られた。

 もちろん、これはサービス開始直後ならではの平和なのかもしれない。今や荒れ地のようなツイッターも、昔はほのぼのとした光景が広がっていたからだ。ユーザーが増え、相互干渉や相互監視が増えていく中で、スレッズも殺伐とした場所になってしまう可能性はある。

 しかし希望はある。スレッズはツイッターと似ているようで、細かな仕様の違いがあり、このささいな違いが治安の良しあしに案外関連しているかもしれないからだ。いくつか例を挙げよう。