時間も間違いも気にならないシーンで、まずはトライ!

一方で、自宅の暇な時間に「1セット17枚の紙が14セット必要であるとき、紙は全部で何枚必要か」を求める必要がでてきたとしましょう。

場所は自宅で、急ぐ必要もありませんから「時間がかかってもいい、間違ってもいい場面」といえます。こんなとき、普段なら電卓で計算していた方も、自分のペースで暗算できるチャンスです。

「17×14」は、冒頭に紹介した「おみやげ算」で次のように計算できます。

①17×14の右の「14の一の位の4」をおみやげとして、左の17に渡します。すると、17×14が、(17+4)×(14-4)=21×10(=210)になります。

②その210に、「17の一の位の7」と「おみやげの4」をかけた28をたした238が、17×14の計算結果です。
238枚の紙が必要ということですね。

ちなみに、会議中の例で挙げた「1700人の14%」も、式を変形して、「1700×0.14=17×14=238(人)」と求められます。

税別4500円の商品は、税込いくら?

時間がかかってもいい、間違ってもいい場面で、暗算に挑戦してみる」ということについて「19×19までの暗算」を例にお話ししました。一方、それ以外の計算法でも問題ありません。例えば、「税別4500円の商品は、税込何円か?」を求めるときに、電卓で「4500×1.1」を計算するのもいいでしょう。

ただ、急いで計算する必要がないとき、これを暗算で計算することによって、数字により触れることになりますし、数字に強くなるきっかけにもなりえます

「税別4500円の商品は、税込何円か」を求めるとき、さまざまな計算法がありますが、一例紹介します。4500円には、10%の消費税がつきますね。つまり、(4500×0.1=)450円の消費税がつきます。だから、「4500+450」を計算して、「税込4950円」と求められます。

「今まで電卓で計算していたが、これくらいなら暗算できる」と思った方もいるのではないでしょうか。

「数字に弱い」意識の解消法として、「時間がかかってもいい、間違ってもいい場面で、暗算に挑戦してみる」というポイントを紹介してきました。このような機会をできるだけ増やすようにしましょう。その点では、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』を、イチから解いてみるというのも、ひとつの方法です。

本書は、スモールステップ形式(きめ細かい段階的な学習)で構成されているので、徐々に、かつ着実に「19×19までの暗算」がマスターできます。「時間がかかってもいい、間違ってもいい場面で、暗算に挑戦してみる」という点もしっかり当てはまります。この夏、「学校では習わない暗算法」をマスターして、「数字に弱い」という意識の解消に向けて、第一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか。