節約が難しければ
ご主人の引退時期は延びていく

 例えば、ご主人も公的年金の受給が始まる65歳で仕事を辞めることにしましょう。Kさんの引退から1年がたち、金融資産は3267万円(3133万円+134万円)に増えています。

 自営業が長いため、ご主人の公的年金額は年間100万円(額面)。Kさんの公的年金額と合わせた世帯収入(手取り)は250万円とします。

 年間支出が431万円と変わらないとすれば、年間赤字額は181万円です。このペースで貯蓄が減っていくと、3267万円の貯蓄は約18年で底を突きます。かなりの規模の資産が、ご夫婦が80代前半でなくなってしまうのです。

 ですので、せっかく家計相談に応募いただいたのですから、ご主人の趣味代金などを一日でも早く把握して節約を始めてはいかがでしょうか。

 推測値なので実態と異なっていれば申し訳ないのですが、まずは月32万円の生活費を7万円減らして25万円に抑えましょう。それだけで年間支出は84万円減り、老後の年間赤字額も181万円から97万円に縮小します。

 ご主人が65歳で仕事を引退した後、上記の水準まで節約できれば、老後資金はお二人が98~99歳頃まで持ちます。ただ、それでも人生100年時代には対応できないので、早いうちから節約を始めるに越したことはありません。

 そのためご主人の引退時期は「これから節約する」という条件付きで65歳とします。それが難しければ、引退時期が延びていくことは言うまでもありません。