【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。
本選びで9割決まる
読書感想文は夏休みに親子を悩ます宿題として有名です。
でも、たった一つの事実を知っていれば、大苦労しなくてもよい感想文が書けます。
しかも、子どもの成長にも繋がります。
それは、読書感想文は本選びで9割決まるという事実です。
では、どのような本を選べばいいのでしょうか?
それは、その子の体験や関心事にぴったりと当てはまる本です。
そういう本を読めば、子どもの心に強く響き、書きたいことも自然に湧いてきます。
その結果、感想文の内容も豊かなものになるのです。
中でも私のイチオシは、子どもに実際の体験があることを扱った本です。
自分の体験を振り返りながら本を読み、感想文を書く
私の教え子の例を紹介しましょう。
その子は、小さいときからずっとかわいがっていた愛犬が亡くなるという体験をしました。
それで、同じことがらを扱った本を読んで感想文を書きました。
親御さんに聞いたところでは、その子は本を一気に読んで、感想文も一気に書き上げたそうです。
本の内容と絡めながら、自分の何年にも渡る犬との触れ合いと別れについて書きました。
犬が病気でなくなったときの様子や自分の気持ちも切々と書きました。
自分の体験を振り返りながら本を読み、感想文を書くことで考えを深めていったのです。
これが読書感想文の理想型です。
大きな関心を持って読めて、自然に書きたいことが溢れてきて、書き上がったものもすばらしいものになるという形です。
もちろん、このような理想型は難しいかもしれませんが、できるだけでこれに近い形を目指すといいと思います。
そのためには本選びが本当に大切です。
親が読ませたい本、世間で評判の本、毎年変わる推薦図書や課題図書などから選ぶことを優先しないほうがいいでしょう。
とにかく大事なのは「その子の体験や関心事にぴったり当てはまる本」を選ぶことです。
例えば、メガネをかけることになって恥ずかしい気持ちを経験した子には「メガネをかけたら」(作:くすのきしげのり 絵:たるいしまこ)がお薦めです。
「家に赤ちゃんができて寂しい思いをしている上の子」「パパが単身赴任していて寂しさを感じている子」などにも相応しい本があります。
本人が熱中していること、趣味や習い事やスポーツに関係する本もいいでしょう。
ただ、このようにピッタリくる本を子どもが自分で見つけるというのは至難の業です。
そこで、親の出番です。
ネット検索を駆使して、そうした本を見つけてあげてください。
あるいは、図書館の司書に相談するのもよいでしょう。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)