月17万円のカード利用、還元率はいくら?
筆者の利用履歴で「損」を試算

 次に、この改悪が消費者にとってどの程度のインパクトを持つのか? 計算してみましょう。

 こういった制度変更は、対象者のカードの使い方次第で影響の大小が変わります。新しいルールは、「少額で多頻度の買い物をする人」ほど損をするルール変更です。

 私の場合、ビジネスで使うカードと個人的な支払いで使うカードを使い分けていて、少額で多頻度なのは圧倒的に、個人的な支払いに使うカードの方です。

 そこで私の直近の支払い明細をもとに、どれだけポイントが減るのかを計算してみました。自分のデータを開示するのはちょっと恥ずかしいのですが、一緒に見ていただきたいと思います。

 私のプライベート分の支払いでの次回の請求額は約17万円で、カードを使った回数は45回。平均すると4000円ほどの支払いに見えますが、実際は数百円の細かい支払いが大半で、切り捨てられる端数が多い使い方です。

 実際に計算してみましょう。楽天カードのこれまでのルールを適用すれば1707ポイントなのですが、新しいルールだと1688ポイントしかもらえません。19ポイントを損することになります。

 ポイント還元率は、1%から0.99%への変更にしかなりません。そこまで大きな数字には見えませんね。おそらく、全体の利用者の平均値もこの程度でしょう。

 念のため、私よりももっと少額の利用が多い人のケースも試算してみます。

 具体的には、私の45回の支払いの中から支払額が1万円を超える6件の支払いを除いてみます。そうすると、支払い明細は少額の支払いばかりになります。39件で支払額は合計5万5300円。ポイントは以前なら553ポイントもらえるところが、新ルールでは537ポイント。還元率は0.97%に低下します。

「1%あった還元率が、0.97%まで低下する」。これが、改悪の被害を一番受ける人のラインと言えそうです。楽天経済圏の約4000万人ユーザーの平均被害は推定で、先述した0.99%近辺(=0.01%損をするレベル)でしょう。やはり、そこまで大きな数字とは言えません。