【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【ほめ方の勘違い】親がつい言ってしまう余計なひと言とは?Photo: Adobe Stock

実際に自分はどう言いそうか?

子どもが漢字テストで90点を取ってきたとします。
このとき、あなたなら何と言いそうですか?
次の選択肢から近いものを選んでみてください。
「どう言うべきかではなく、実際に自分はどう言いそうか?」と考えてみてください。

A「漢字の勉強がんばってたよね。もっとがんばれば100点が取れるよ」
B「漢字の勉強がんばってたよね。今度は算数もがんばって」
C「漢字の勉強がんばってたよね。お母さん・お父さんもうれしいよ」

はい、考えてくださってありがとうございます。
私は小学校の先生だったとき、懇談会で親御さんたちにこの話題について話し合ってもらったことがあります。

すると、AやBのように言うという人が多かったです。
皆さん、正直ですよね。
中には「本当はCがいいんですよね」と言った方もいて、私は「やはり皆さん頭ではわかっているのだ」と思ったものです。

親にも先生にも言えることですが、人には「ほめた後で余分なことを言ってしまう」という習性があるようです。
ところが、子どものほうは、ほめられた後で「次はもっとがんばれ」「次はこれをがんばれ」と言われてしまうとうれしさが半減してしまうのです。

なぜなら、「まだまだ不十分。もっとがんばれるはず」と言われたのと同じだからです。
ですから、親や先生はほめたつもりでも、子どもによってはほめられたと感じない子もいるのです。

子どもも色々ですから、もちろん「じゃあ、もっとがんばろう」と思う子もいるでしょうが、中には「これだけやってもほめてくれない。どんだけやればほめてくれるの?」と感じて心が折れる子もいます。
ですから、私はほめた後で余分なことを言わないほうがいいと思います。
選択肢Cのようにほめて一緒に喜んで、それ以上余分な要求をしないようにすると、子どもは純粋に喜びを感じられます。
その喜びが自然と次のがんばりにつながるのではないでしょうか?

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)