中国企業に陰り?「世界トップ500社」ランキングの変調が示す“無敵の国有企業”の曲がり角中国国有企業にウォルト・ディズニー(フォーチュン・グローバル500で145位)のような価値の創造はできるのか(画像は上海ディズニーランド/著者撮影)

「フォーチュン・グローバル500」は、米経済誌「FORTUNE(フォーチュン)」が発表する、世界の企業を対象にした総収益ランキングで知られる。ランクインする中国企業はこの30年ほどで徐々に増え、近年はランキングの約3割を占める勢いだった。ところが、これまでの上り一本調子に変化が表れた。「世界トップ500社」に並ぶのは中国の国有企業の割合が高いが、“無敵の国有企業”にもついに曲がり角に差しかかったのか。(ジャーナリスト 姫田小夏)

中国大陸企業の減少は15年来初

 8月2日、2023年の「フォーチュン・グローバル500」が発表された。上位10社には国家電網(3位)、中国石油天然気集団(5位)、中国石油化工(6位)の中国国有のエネルギー関連企業が入った。

 中国企業(香港を含む)は135社がランクイン。昨年比で1社減り過去15年で初めての減少となった。また、135社中、順位を上げた企業は35社で、順位を下げた企業は89社となった。ちなみに、民営企業を代表する華為投資控股(ファーウェイ)は15位から111位に大きく転落した。

 中国企業135社のうち国有企業は118社と約9割を占める。こうした動きは、中国の産業の根幹を支える国有企業が示す変調の表れなのか。

 中国の国有企業とは一体、どんな企業なのだろう。まずは過去を振り返ってみよう。