国有企業にイノベーションはできるのか?

 今年の「フォーチュン・グローバル500」には7社の中国企業が新たにランクインする一方で、中国光大集団や山東鋼鉄集団などの国有企業を含む10社がランキングから消えた。中国建築集団は9位から13位に順位を落とした。2023年はランク入りするための最低の総収益も286億ドルから309億ドルに引き上がるなど、ハードルも高くなった。不調の背後には新型コロナウイルス禍の影響や米中対立もあるだろう。

 飛ぶ鳥を落とす勢いで発展してきた国有企業だが、中国の研究者たちはその将来を楽観視してはいない。

 中国銀行の調査レポートは「中国は異例のスピードで工業化と都市化を達成したが、これを支えたのが交通、輸送、不動産、資源関連などに関わる国有企業であり、それらが過去の『フォーチュン・グローバル500』にも名を連ねてきた」として一定の功績を認めている。その一方で「工業化の終焉とともに、需要の鈍化、過剰生産能力、低い利益率が企業の存続を圧迫するだろう」と行く末を案じる。

 また同レポートは、中国には巨大な消費市場があるにもかかわらず、それに見合うブランド力のある企業がほとんどない現状を悲観し、「国有企業に求められるのはイノベーションだ」と主張する。言外に訴えるのは、「スターバックスやナイキ、ギャップやウォルト・ディズニーなどに見る価値の創造を、果たして国有企業ができるのか?」という問いでもある。