日米韓首脳会談により
「あいまい戦略」捨てた韓国
8月18日(現地時間)、ワシントン郊外にある米国大統領の別荘「キャンプデービッド」で日米韓首脳会談が開催された。今回の首脳会談の最大のポイントは、日米韓が協力する領域を大幅に広げ、中国の脅威に対抗する包括的な体制を構築したことである。
「キャンプデービッド精神」とする共同声明では「インド太平洋及びそれを超えた地域で協力を拡大する」と強調した。同声明には「地域の平和及び繁栄を損なう、ルールに基づく国際秩序と整合的でない行動に対する懸念を共有する」と表記しており、台湾海峡や南シナ海で領有権を巡りフィリピンなどと紛争を繰り広げる中国の覇権的な行動を非難した。
これまで、韓国は、在韓米基地内に高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備したことに対して中国から報復されたことの恐ろしい記憶や、中国の北朝鮮に対する影響力などを考慮し、米国よりも中国に配慮する姿勢を取り続けてきた。
しかし、キャンプデービッドで日米韓首脳会議を行い、日米韓の結束を強固にすることで、日米寄りの姿勢を明確にした。また、サプライチェーンや先端の新興技術開発やその技術の流出問題でも日米の結束を重視した。
日米韓首脳会談後、中国は「台湾・海洋問題で中国を中傷・攻撃し、中国の内政に粗暴に干渉した」と反発し、「厳正な交渉を申し入れた」とする外交部報道官談話を発表した。しかし、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこれに毅然(きぜん)としてひるむ姿勢は見せず、キャンプデービッドの成果を強調している。
韓国が、日米韓の協力を中国に拡大することができたのは、韓国の経済力が高まったことで、世界に目を向けた国家戦略を国民がある程度受け入れられるようになり、韓国の対中姿勢にも変化が表れたためである。これによって韓国は、これまでの米中間での「あいまい戦略」を捨て、中国の国際規範に反する活動は認めないとの立場を明確にした。