店舗の形態が変わっても
ユニクロの目標坪効率は変わらない!
村井 ところで、先生は著書の中で「坪効率(=売場1坪当たりの年間売上高)」や「月坪効率」も重要な指標として取り上げていますね。ユニクロはロードサイド型やショッピングセンター型、百貨店型など、異なるタイプでチェーン展開していますが、店舗形態によって目標の坪効率も違ってくるのでしょうか。
安本 いえ、どの店舗も同じです。当然、大規模店舗になるほど人件費もかかりますし、坪効率はどうしても悪くなってしまうので、難しいコントロールが要求されますね。
村井 会長・社長の柳井氏も著書『一勝九敗』の中で、坪効率に触れていました。財務会計に限らず、いろんな角度から数字を組み合わせて見ていく必要があるということですね。強い会社は、そういった数字の使い方を知っている。
安本 特に小売業は坪効率を気にしますね。柳井社長と仕事を始めた頃は店舗数が7店舗と少なく、お店の形態はバラバラでした。今は企画デザインから手がけていますが、当初は商品を仕入れて売っていたので、扱う商品も値段もお店ごとに違う状態でしたね。
どうすればそれぞれのお店がローコストオペレーションになるのか。そこで店舗の規模と損益構造の標準モデルをつくりました。現在のロードサイドに建つ敷地500坪程度、売場面積150坪の倉庫形式がそれです。建物の施工から、陳列方法や販売管理などのオペレーションまで、標準を設定することで効率を図り、ローコスト運営を確立させました。
村井 ローコストのスタンダードをつくり、売上や利益を出やすくすることが盤石な経営につながっていく。
数字が示す現状を読み取り、具体的に行動していくのが強い会社に変わる重要なポイントですね。
(3月14日につづく)
取材・文 佐藤祥子
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