子どもから大人まで数学を苦手とする人は非常に多いのではないでしょうか。ましてや高校数学ともなるとほとんどの人が挫折してしまった経験を持っているでしょう。しかし、高校数学の基礎は丁寧に学べば特別難しいものではなく、同時に得た知識は私たちの生活にも大きく役立ちます。そんな高校数学の超入門書として書かれたのが『【フルカラー図解】高校数学の基礎が150分でわかる本』です。本記事でははじめての人から大人の学び直しまで1人で高校数学が学べる本として発刊された本書より内容の一部を抜粋してお届けします。

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変化の速さを見る「微分」

 微分とは、ある瞬間における変化の速さを求めることです。例として、ある夏の暑い日の気温について考えてみましょう。

 もし気温が以下のグラフ(これは実際の気温データではなく、筆者が作った架空のグラフです。)のように変化したとき、午前8時の時点では毎時何℃のペースで気温が増加しているのでしょうか。

 7時の気温は約28.6℃、9時の気温は約29.8℃であり、2時間で約1.2℃上がっています。したがって答えはおよそ1.2/2=毎時0.6℃ですが、このような「変化の速さ」を計算することを微分といいます。

図

 また、新幹線の位置が以下のグラフのように変化したとき、開始4分時点では毎分何kmのペースで進んでいるのでしょうか。

 3分時点での位置は約4.5km、5分時点での位置は約12.5kmであり、2分間で約8km進んでいます。したがって答えはおよそ8/2=毎分4kmですが、これを計算するのも微分です。

図

 ここで、毎時0.6℃、毎分4kmのような「変化の速さ」のことを数学用語では微分係数といいます。ぜひ覚えておきましょう。

練習問題

新幹線の例について、開始11分時点では毎分およそ何kmのペースで進んでいるのでしょうか。ただし、10分時点での位置は37.5km、12分時点での位置は42.5kmです。

答え:2分で(   )km進んでいるので答えは毎分約(   )km