【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【納得】子どもの「できて当たり前」をほめる壮大な意味とは?Photo: Adobe Stock

否定的な言葉が否定的な「自己イメージ」を作る

親ならみんな、きょうだいは仲よくしてほしいものだと思います。

でもその気持ちからつい、「ケンカばかりしちゃダメ。もっと仲よくしなさい」などと叱ることが増えると、それは逆効果です。

なぜなら、このように言われた子たちは「あれ、ぼくたちは仲が悪いのかな」と感じてしまいます。

何度も言われれば、「自分たちは仲が悪いきょうだいだ」と思い込みかねません。

否定的な言葉は否定的な「自己イメージ」を作り、実際にだんだんそうなっていく可能性が高まるのです。

自己イメージとは、自分について持っているイメージや、自分への思い込みのこと。この思い込みは、人間が自分を作っていくときの設計図になるものです。

ですから、きょうだい仲をよくしたいなら、きょうだい仲をほめるところから始めることが大事です。

例えば、2人並んでテレビを見ているときに「あなたたち仲がいいね」とほめます。

ただテレビを見ていただけなのですが、そう言われると「あれ、自分たちは仲がいいんだ」と感じます。

肯定的な言葉が肯定的な自己イメージを作ってくれて、実際にそうなっていく可能性が高まるのです。

また、例えば外出するとき、お兄ちゃんが自分の靴を履くために、邪魔だった妹の靴を脇によけたとします。

そこで、「妹が履きやすくしてくれてありがとう。いつも妹に優しくしてくれてうれしいよ」とほめます。

本人はそんな気はなかったのですが、こう言われると「あれ、ぼくは妹に優しいんだ」と感じて、肯定的な自己イメージの形成につながります。

このように、ほめるところから始めるのが効果的なのですが、人間にはすでにできていることは「できて当たり前」と感じてしまう習性があるから、意識しないとなかなかほめられないものです。

ですから、「ほめるところから始める。当たり前のこともほめる」と決意して実行してみましょう。そこを逃してしまうと、あとで叱る羽目になってしまいますから。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)